【ブータンの染料で染める】琉球藍の沈殿藍の消石灰についての実験

ブータンの藍は琉球藍です。ブータンの染め方ではありませんが、色々な方法で試してみようと思い沈殿藍を作りました。

疑問だった消石灰の入れ方について検討してみました。

蓼藍でやったとき、「消石灰25グラムを250ミリリットルの湯で溶かしてなるべく固形物を入れないように上澄み液を」加えたのですが、

その後、消石灰についてググると

「水に対する溶解熱が発熱的であるため溶解度は温度の上昇とともに減少する」

とありました。ということはお湯より水のほうがよさそうです。

「水に少量溶解」

とも。あまり溶けないということです。あまり溶けないけれどpHは強いアルカリを示す。それなら、少なめの消石灰に何度も水を入れ替えて繰り替えし使えばよいのでは?

と考えて、実験してみました。ちなみに、飽和水溶液はpH12.4だそうです。いっぱい入れたからといって、pHがそれ以上にはならないってことですね。

 

9月29日(水)

琉球藍(葉と茎)890グラムに40〜45度のお湯を7リットル入れました。琉球藍は葉だけでなく茎にも色素があります。

 

琉球藍

 

浮いてこないようにしてこのまま置きます。2日目で天地返しをしました。

 

琉球藍

 

4日目の10月3日(日)表面は酸化してインディゴの膜ができています。

 

琉球藍

 

蓼藍は葉が白っぽく色が抜けますが、琉球藍はなぜか緑のままです。また、蓼藍のときには乳酸発酵の匂いがしましたが、琉球藍は匂いがとても少ない。違うんですね。液は青緑色で半透明。pH7です。

 

琉球藍

 

葉を絞って取り出しました。この葉を煮て紫染めができると聞いたのですが、やってみたらなぜか失敗。紫染めは機会を改めてじっくりやってみます。

 

琉球藍

 

8グラムの消石灰に水400ミリリットルを加えて撹拌し、静置して上澄み液(pH12)だけを加えましたが藍液のpHはあまり変化しません。同じ消石灰にまた水を加えてその上澄み液(pH12)を加えても藍液の全体量が多すぎるためpHの変化が少なく、これを続けていくと水の量が多くなりすぎてしまいます。やはり固形分を入れる必要があります。

消石灰に適度な水を加えた乳濁液を(上澄みだけでなく全部)、pHを確認しながら10〜11になるように少しずつ入れるのが合理的だと判断しました。

1.最初の8グラムの消石灰を藍液に入れた pH8くらい
2.10グラム追加 pH9くらい 混ぜると液の緑色が不透明になり泡が青っぽくなってきた
3.5グラム追加 pH10と11の間くらい 混ぜると泡がしっかりと青い。OK、と言われているみたい。
合計23グラムの消石灰を入れたことになります。

(このブログを書いてから思ったのですが、消石灰を入れたときにもっとしっかりかき混ぜていたらpH上がって少ない消石灰でよかったのかも。来年の宿題)

 

下の写真は最初の上澄み液投入時のもの

琉球藍

 

下の写真は消石灰10グラム追加時のもの pH9 泡が青くなってきました

琉球藍

 

さらに消石灰5グラムを追加 pH10と11の間くらい しっかりと青い泡。これでpH調整はOK

琉球藍

 

ここから先は、バケツに何度も入れ替えて酸化作業。最初は緑色です。

琉球藍

 

6回目くらいで、大きな泡がふわっふわっにたってきました!でもまだ液は緑色。

琉球藍

 

26回目くらいで泡が小さくなってきました。30回くらいからは、バケツから移したときの泡は青くない(緑っぽいというか白っぽいというか・・)になってきました。これは40回目の写真。カメラを構えている数秒のうちに真っ青に酸化してしまいました。

琉球藍

 

これから一晩おいて作業はまた明日。