ブータン山岳民族ブロクパ族の村へ。ヤクの熟成チーズにおかわり続出!
2018年4月、ピンクの石楠花に染まる山を歩いてブロクパ族の村サクテンを訪ねました。トレッキングでは専任のコックが美味しいお料理を作ってくれます。でも、せっかく来たので、外国人向けに手心を加えたものではない、本物の郷土料理を出していただくことにしました。
サクテンの人たちは、「麓の村」にチーズを持っていって売り、そのお金でお米やトウモロコシ、野菜などを買ってきます。今は毎日の食事もだいぶ変わってきました。「100%サクテンの食事」という私達のリクエストに、村の人がとっても張り切ってお料理を作ってくださいました。
こちらは主食の「ザン」を作っているところです。「ザン」は「蕎麦がき」みたいな食べ物。材料は今回はトウモロコシ。ダッタンソバで作ることもあります。
細かく砕いたトウモロコシに熱湯を入れてよく混ぜます。20分ほどストーブの上においてから上下よく混ぜます。
ストーブからおろしてよく練ります。けっこう力仕事ですね。
おかずの「クパ」。熟成チーズ、水、バター少々、粉唐辛子、塩が入っています。赤っぽいのは唐辛子が入っているから。上に乗っているのは少しチーズを足したところです。
チーズがよく溶けました。
今まで訪れた「麓の村」では、このブロクパの熟成チーズは貴重品で、コクを出すのにほんの少しだけ入れたおかずをご馳走になっていました。熟成チーズ主役のご馳走はとっても贅沢で、いやぁ、産地に来たなぁと感激です。
食べ方指南。
練ったトウモロコシ(ザン)を手にとり、スプーンのように少しくぼみをつくり、クパ(チーズのソース)をすくうようにとって食べます。
みなさん大丈夫かなぁ、と心配でしたが、「美味しい、美味しい」と大好評。「ソースおかわり」の声があちこちから。念の為にトレッキングのコックに食べやすいものも用意してもらっていましたが、必要なかったみたい。みなさんが喜んでくださって、サクテンの人も喜んでいました。
ちなみに、こちらは別のときにメラ村でいただいたもの。
クパに唐辛子が入っていて「麓の村」の食事スタイルの影響を感じます。
また、こちらは前年にサクテンに下見に来てこの家に居候させてもらったときのご飯。チーズのクパには唐辛子が入っています。もちろん、熟成チーズをふんだんに使ったうまみたっぷりです。
ご飯は東ブータンの「麓の村々」で食べているカラン(お米に砕いたトウモロコシを入れて炊いたもの)です。
ブロクパ族のチーズが「麓の村」の食事に「うまみ」として取り入れられているように、ブロクパの人たちも麓の人たちの食スタイルに影響されています。人と物が動くとき習慣も変わっていくことを、チーズとご飯から感じました。