【染色遊び】ブータンの生葉直接発酵による藍染め実験
ブータン東部の藍染めの方法として、リュウキュウアイの葉を潰して灰汁と混ぜ、バケツに入れて2週間くらいおいて発酵したら糸を入れてさらに一週間くらい浸す、というのがあります。生葉の状態のまま発酵させてしまうわけです。
蓼藍で試してみることにしました。
8月21日(土)
蓼藍の葉110グラム。ブータンのようには潰せないのでフードプロセッサーでみじん切りにしました。
2リットルの熱湯に灰を150g投入。pHは13。思ったより高い。この灰はお隣の暖炉から分けてもらったもの。pHの高いハードウッドの灰じゃないと雑菌が繁殖して腐敗するのではと心配していましたが、大丈夫そう(今の時点では)。温度が高いので(葉の酵素が変性してしまってインディゴが形成されないのでは、と思ったので)水1リットルを加えて50度まで下げました。pHは変わらず。
濾過した灰汁と藍の葉を混ぜてバケツに入れて軽く蓋をして軒下に置きました。さあ、無事に発酵してくれるでしょうか。
8月28日(土)
手を入れると葉がヌメっとしている。匂いもかすかにするので、糸を入れてみたました。でも後から考えたら、色素が出てきていたら空気に触れている表面が青くなってるはず。まだ早すぎたようです。
9月2日(木)
12日目ですがバケツの中の水は青くなりません。緑色で全体的にヌルっとしています。考えてみたら、インジゴが生成されるためには空気を入れてあげないといけないんですよね。ブータンの人は、藍と灰汁を混ぜたらそのままおいておく、と言っていたけど、本当なんだろうか・・・・。今度行ったらもっと詳しく聞いてみよう。
念の為糸を引き上げて空気にさらしてみるけれど、青くなりません。緑色の液がそのまんま染み込んでいるだけみたい。これは綿ですが、もし絹なら青くなるのかな。
pH10になっています。このままだと、雑菌が繁殖してしまいそうなので、灰汁を足してpH11に調整しました。
ブータンの人は「何もしないでおいておく」と言っていましたが、やっぱり撹拌してインジゴを作ってあげる必要あるんじゃないかな、と思って、ガシガシ撹拌してからまた糸を戻しておきました。
やっぱり、やってみてうまくいかないことって大事ですね。
9月9日(木)
藍と灰汁を混ぜてから20日目、糸を入れてからは13日目。そろそろ引き上げることにしました。実は2日前に軽い腐敗臭がしてpH8くらいまで下がっていました。灰汁を追加してpH11にしたところ、今日は嫌な匂いはなくなっていました。ブータン人がpH調整をしているのか気になります。次回の旅の宿題です。