ブータン・山岳民族の村サクテン 糸紡ぎ、染め、織りなど

2017年5月にブータン東部の村サクテンを訪れました。親切なブロクパ族の家族のゲストハウスに滞在し、お母さんから糸紡ぎや染を見せてもらいました。

サクテン

 

お母さんはいつも(家の中でも)ヤクのフェルトを被っています。働き者でとても親切。上着も綺麗ですね。お嬢さんのペマちゃん。民族衣装が学校の制服です。帽子は被りません。

サクテン

 

中学生。お洒落ですね〜。女性の赤い服は、地糸がブラ(野蚕)の糸、模様にアクリル糸を使っていることが多いです。

サクテン

 

羊の毛の糸紡ぎ。最初はスピンドルを下向きにしてゆる〜く紡ぎます。

サクテン

 

その後で、ゆる〜く紡いだ細いスライバー状のウールを腕にかけて、スピンドルの向きをかえて(ひっかかりのある別のスピンドル)しっかりと撚りをかけます。

サクテン

 

腰機で布を織っている人。手紡ぎウールの綾織り、すごく織りにくそう・・・。ほんとうにギリギリまで織って糸端を捨てることはないそうです。

サクテン

 

ラック染めの様子。今は化学染料を使いますが、私がラックを持参して染めていただきました。粉々にしたラックにお湯をさし、かき混ぜてからざるで濾して染液をとります。「石楠花の花のように綺麗に染まりますように」とお祈りします。

サクテン

 

5月、かろうじてヤクが村の近くにいました。これからもっと標高の高いところへと移動させます。おばちゃんが指差しているあたりは柔らかい部分。紡いで衣服にします。お腹のふさふさとしたところはフェルトの帽子にする部位です。

サクテン

 

赤い服は羊の毛で織って赤く染めたもの、茶の服はヤクの毛で織ったもの。

サクテン

 

おばちゃん2人。雨の中、5000mの峠を平気で歩く人たち。ほんとうにかっこいいです。手にしたボトルは焼酎。ヤクの放牧に出発する人をお見送りするためのお酒。

サクテン

 

この旅のことは、染織の旅報告書2017年版に書いています。
サクテンの衣装、帽子の作り方については最初の訪問の2016年版に、サクテンの石楠花と帽子の作り方については2018年版にも記載しています。

染織の旅報告書の販売については「資料販売」のページをご覧ください。