2024年8月:ブータン里帰り旅5年ぶり-1.「お迎えの酒盛り」
2024年8月19日(月)成田〜バンコク
コロナで突然外国に行けなくなった。そしてコロナ後はブータンの観光政策が変わり、1泊200ドルの税金を課すこととなり、さすがに外国人が誰も来ないので100ドルに値下がり(それでも高いけど!)したのだけど、私の中のモチベーションは戻らず、もしかしたら一生ブータンには行かないのかなぁ、と思っていました。
そんな私でしたが、ブータンの親友の母娘がほぼ強制的に誘ってくれたので、5年ぶりにブータンに行くことにしたのでした。
成田〜バンコクは、一番安いAIR JAPANを利用。毛布や食事、座席指定はなし(追加料金でつけられる)。でも全日空系列のLCCだけあって、座席は快適でした。
バンコクに到着。いつものタイ航空のように、トランジットエリアで休憩して乗り継ぐ予定でしたが、LCCの場合は一度入国して荷物を受け取り、翌朝チェックインし直しする必要があると言われ、今からホテルに行く時間もないし・・・と、空港の地下一階通路にある簡易宿泊所BOXTELを利用してみました。
プレハブっぽいお部屋が建っています。
部屋は狭いですが、十分。快適でした。4時間で1400バーツ(約6000円)。トイレは空港のを使います。椅子に寝そべって過ごすことを考えれば安心できるしエアコンも効いててスマホも充電できるし、OKです。
翌朝は、出国後のエリアにあるトルコ航空のラウンジでシャワーを浴びてさっぱりしました。
2024年8月20日(火)バンコク〜パロ〜ティンプー
ドゥルックエアーのチェックインはとっても簡単。パスポートと査証を見せるだけ。査証は、スマホに送られてきた画像を提示。
オレンジと黄色と白いドラゴン、久しぶりです。ああ、本当にブータンに行くんだなぁ。
ドゥルックエアーのクルーたち。
彼女たちのキラが模様入りで高価なものに見えたけれど、生地の揺れ方が手織りっぽくない。もしかしたら、インドの幅広の機織り機で織ったものだろうか?と思い、見せてもらった。
模様のアップ。ちょっと目には典型的なブータンの手織り模様だが、機械刺繍だった。機械でここまで「ザ・手織り」っぽいものができるようになったとは、ちょっと驚き。
懐かしいパロ空港です。外側は変わったかどうかよく分かりませんが、入り口に記念写真を撮影するようなセットが置いてあったり、テーマパークっぽい。
入国検査も至って簡単。パスポートを出すと、すぐに入国スタンプを押してくれました。とにかく、何でもオンラインでスムーズ。
ターンテーブルの真ん中にゾンの模型。棚田の風景も作り込まれていて美しい。「ブータンへようこそ」ムードいっぱい。これはいいなぁ。王様、王妃様主導で、ブータンの美化活動が展開しているそうです。
右(緑のTシャツ)は織り名人のジャンベさん、その隣がお嬢さんのヌモさん。左は同居しているノルブさん。ジャンベさんとヌモさんのおかげで、再びブータンに来ることができました。パロ空港で。
道端の野菜売りで野菜を購入。お店の人の銀行口座のQRコードをヌモさんがスマホでスキャン中。送金完了の画面をお店の人に見せて支払い終了。
ブータン銀行の口座を持っている人なら誰でもタダで利用できます。キャッシュレスを普及させるために、お店側の手数料もナシです。
今はブータンでは現金を使う機会がとても少なくなりました。
途中の川辺の公園でお弁当です。ジャンベさんたちが、アラ(焼酎)、スジャ(バター茶)、エマダツィ(唐辛子のチーズ煮)などのご馳走をいっぱい用意してくれました。絨毯を広げてポプラの木の下でとっても気持ちいい。
お客さんが遠くから来たら、村の入り口でお酒を用意して歓迎するのはジャンベさんのふるさと、東部地方の習慣です。お迎えのお酒のことをドンチャンと言います。(チャンはお酒)
公園のブランコ遊び。ツアーで来たら、こういう時間はないなぁ。今回は何の予定もないので、遊びます!
綺麗に飾られたウェルカムゲート。同じ日にアフリカのソレト王国の王様が到着されたので、特別に美しく飾られています。子供達も旗を持って並んでいました。自分が歓迎されたみたいな気持ちになって嬉しい。
ティンプーの野菜市場もおしゃれになっていました。なんだか文化祭っぽいけど、綺麗なことはいいことだわ。
8月は松茸シーズンです。値段は1キロ1500〜2000ニュルタム(約2,500〜3,400円)。日本の松茸よりはもちろん安いけど、ブータンの他のキノコや野菜に比べたら高い。それでも、この頃のブータン人は喜んで買っている。30年前は美味しくないってみんな言ってたのにね。滞在中、いっぱいご馳走になって、一生分の松茸食べた気がする。
ジャンベさんの夢のおうちに到着です!自分の家を持つのがジャンベさんの願いで、建てはじめた時にちょうどコロナになって労働者も資材も確保できないし、ローンは待ってくれないし、すご〜く苦労しましたが、完成しました。テナントに貸し出していて、ジャンベさんたちは一番上のフロアに住んでいます。
一階はジャンベさんの織りの仕事場と織りの教室。生徒さん3人とベテランの織り手さんが1人。織物のショールームもあります。外国人ツーリストに、草木染めや織りのワークショップを頼まれることもあります。
家に着いたらまたお酒の歓迎。昨夜寝てないから私、むくんでますね。ジャンベさんの隣はラキさん。ベテランの織り手さんです。
夕食は、茹で麺にわらび(?)のチーズ煮を絡めたトンサ地方のお料理。ジャンブルって言ったかな。優しい味です。
キラの新作が届きました。
まぁ、これが、織り名人揃いのゲンパカップ村の中でも一番上手なサンゲイさんの手によるもので、広げた途端、ため息が出てしまいます。
この実物、是非是非、皆さんにお見せしたい。オーラが凄いんです。織る人なら、模様一つひとつのテクニックがどれだけ見てても飽きないくらい、超難易度の高いものばかり。色はジャンベさんの草木染めです。
こうして、ブータン1日目が終わりました。まだちょっと夢を見てるみたい。