2024年8月:ブータン里帰り旅5年ぶり-2.「チョキ伝統美術学校」
2024年8月21日(水)ティンプー
目が覚めた。ここはブータンなんだなぁ。
ジャンベさんの家は小高いチャンザムト地区にあり、7階建ての一番上なので眺めがとてもいい。
ジャンベさんは5時半には起きて仏間の掃除、お祈り、朝食の準備。ヌモちゃんは夜寝るのが遅いので朝寝坊。出かける時になると、目に入ったものをつい片付けたくなってしまうジャンベさんを、ヌモちゃんが急がせる。見ていて楽しい母娘。
枕元におしゃれな水差しとコップ、コンセント。ヌモちゃんが用意してくれていました。
カード織りの動画を撮影しよう、が今回唯一のミッション。
作った資料の内容に沿った動画があれば、誰でも自習できる。
まずは整経から・・・と始めたところ、使えるカードはあまり状態が良くない。穴の位置がそれぞれ違うものばかり。
ああ、でもこれでやるしかないよね。。。。
考えられないような苦労をして糸を通し、ジャンベさんにスタート部分をやってもらった後、ジャンベさんは用事でちょっと外出。続きをヌモさんと2人で、これまた考えられないような苦労をしてやり終えました。穴の位置が違うカード100枚って、泣きますよ〜〜〜〜
最後の部分はジャンベさんに。ジャンベさん、さすが糸を持つ姿が美しいですね
ジャンべさんたちが機織りをするときに、模様を織り込む糸。シルクの草木染めです。
シルクはツルツル滑り落ちてほどけてしまうので、糸を上からかけています。なるほどねえ。
ジャンベさんの織りの生徒さんたちと、持ち寄りランチタイム。赤いお米、白いお米のご飯。ジャジュ(スープ)はミルク入り。2年ちょっと住んでいたけど、ミルク入りのジャジュは初めて。唐辛子味のおかずもあります。
唐辛子とキノコのチーズ煮、シャモダツィです。松茸も入ってます。日本人的には、松茸の香りも味も消されてしまっていて勿体無い・・・
午後はお出かけ。夏は、というか、今年は特に、雨が多い。ザーザー振りになって、まだ雨が止んでいないのに空が明るくなって、二重の虹が出ました。吉祥サインです。
カベサのチョキ伝統美術学校に、ずっとお預かりしていた寄付を届けに行きました。
ソナム校長先生(写真、左から2番目)のお父さんは有名な絵師(仏画)で、政府の伝統美術学校に勤務していました。
政府の美術学校は小中学校を卒業していないと入学できません。しかし、村には経済的な理由で小学校も行けなかった子供達が大勢います。お父さんはそんな子供達を個人的に受け入れて指導していました。
今は学校組織にし、仏画以外の伝統美術(彫刻、刺繍、裁縫)も含めて、職人になりたい子供達を無償で受け入れています。寄付による学校運営は大変困難ですが、来るたびに進歩していて素晴らしいです。
仏画クラスの少年たち。礼儀正しく、歯に噛みつつも、物怖じしない姿は昔と同じ。
上級生が大作を描いていました。仏教の調和のシンボルに、アレンジを少し加えて。
建設中の建物の壁に飾るそうです。
建設中の建物。生徒たちの作品の展示販売や、卒業して立派なアーチスト、職人になった人たちの作品の紹介もする予定です。交流型の伝統美術のミュージアムっぽいコンセプトのようですが、どんなふうになるのかな、また来られるかな。
レストランも併設して、訪問者が食事もできるようになります。町から少し離れているのでそれは便利。
夕方5時半に、カムニ(正装用のスカーフ)を持って学生たちが集まってきました。お祈りの時間です。
ブータンの大学では、週に1、2度こうしたお祈りの日があるそうですが、全寮制のチョキ伝統美術学校では毎日行います。ちなみに、仏壇も仏画も装飾も生徒たちの作品です。
女の子たちもいますよ〜。
Gangri Tours ガングリツアーズの経営者3人が、ホテル・ドゥルックで夕食に招待してくれました。
お互いに歳をとりましたが、コロナの後もこうして現役で会えるのは喜ばしいことです。
1991年から2年ちょっとブータンに住みましたが、その年からブータンの旅行サービスが民営化され、3人は国営旅行社のガイドをやめて独立。そんなタイミングもご縁ですね。
普通はなかなか行けないようなところにも、調査に行ったり、ツアーを作ったり、一緒にやってきた友人たちです。
コロナ後は欧米のお客さんが戻ってきてくれて、ドライバーたちも再雇用して順調にやっているそうでよかった。
彼らが現役の間に、もう少し日本からのツアーもできたらいいのになぁ。